藤川 奈津子 [京都府立大学 2008年度卒]

1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品

 私がいいなと思う建築は、人の動きと建物が相互に影響を与え合って成立するような建築です。人の働きかけで(意識的であれ無意識的であれ)新しい空間が生まれるようなものです。システムで人の動きを操作するもの、現象として人の精神に訴えてくるもの、様々な点で人と建築が絡み合っているようなものに惹かれます。



そういった点で、平沼先生の作品「自然の向こう側へ」は実際に建ったときには、予想できなかった様な形体や営みが生まれてくる様な気がします。
全く自然のままにではなく、人が維持していかなければならない。無限に広がっていくのではなく、ある一定の秩序のもとに(交通という)展開していくのもおもしろいと思いました。


このような私の好みから「こおる、とける、ながれる」というプロジェクトはそのエネルギー源を太陽ではなく、人にしてもおもしろいと思いました。人がたくさん集まり、活発に活動すれば、室内の温度や湿度が変化し、建築の表層に変化を与える。各々の部屋に用途があり(動的な部屋、静的な部屋)人間の活力によって巨大で不動な建築を動かすこと、変化を与えることができるという体験ができるのもいいかなと思いました。


「東京大学くうかん実験棟」は実際に中に入り、触れることもでき、リアルに体感できるので実際に建つことも想像しやすかったです。
建築を考えることって、すごく想像力がいることで、ともすれば机上の空論になってしまうので、このような体験は必要だなと改めて感じました。壁の構造が窓、サッシ、木の変形、耐熱などの機能をすべて兼ね備えていて、デザインとしての見た目の良さだけでなく機能も満たしている点が美しいと思いました。

5.それぞれの [unknown architecture] の回答


藤野 宏美 [神戸芸術工科大学 1回]

1.作品を見て現実的な物として興味を持ったもの

「木の上に住むように」です。前回書いたのとは違うんですが、実際にできたらどう利用空間になるのかということです。上に住んで、下では植物を育てると言うのが、のんびりした感じでいいなと思いました。



2.非現実的で面白いとおもうもの

やっぱり「空気に消えてゆく」です。私にとって一番実際に想像しにくくて、一番ひかれる作品です。北京の歴史的建造物をけずるなんて、すごい大胆!って思いました。でもやっぱり、ろうが溶け出したら周りは危なくないのか?とか考えます。


3.1と2を見比べて感じたこと
作品模型を見るのは今日で2日目になりますが、ずっと見ていると、どれも造ろうと思えば実在できるんだなと思いました。でも、そんな中でも「空気に消えてゆく」が非現実的に感じるのはたぶん「どうやって建てるか」の納得が出来ていないからだと思います。どうやって実際建てるのか?燃え尽きたろうが流れる場所は?など疑問が残っているからだと思います。



4.来場者の様子 気づいたこと
見に来てくださった人何人かと話したのですが、「自由研究で昔息子がこんなことしててね」とか「夫が1級建築士の資格持ってて昔こんなことやってたんです」など、自分の身内の人と重ね合わせて作品を見ている人もいました。「木の上に住むように」の1/15の模型を息子が作った見たいで―と、とても嬉しそうに見ている人もいました。
テーマとは関係ないけど、いろんな人と接することができるのって楽しいなって思いました。



5.それぞれの [unknown architecture] の回答
『植物のドーム』


宮川 香織 [京都市立芸術大学 3回生]
スケッチ