馬場 沙織 [神戸芸術工科大学 4回生] 

1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品

「ニュートラルな自然に建築を解放する」
建物自体に求められている目的と建築が(建築をかたちづくっているものが)分かりやすい、伝わりやすいなと思いました。
見て視覚的にも伝わるし印象に残るだろうなと思う作品。
コンセプトを知るとよりそこの空間にいてみようと思える作品。



2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品 

「空気に消えてゆく」
オリンピックという一瞬の輝きのようなものを象徴しているようでコンセプトはとても好きです。巨大インスタレーションのような感じもすきです。
ただ、盛り上がり・華やかさとのギャップが気になりました。ロウが消えていく姿、ロウのにおい…そのイメージが少しリアルに考えられなかったので。“オリンピック”ではなくてもいいのかなーと思いました。
でも、聖火は点火されるときはすごい盛り上げるのに、最後があっけないなと思っていたので、こういうちょっと違った聖火は見てみたいです。

あと表現の点では、海中都市の海の中のパースor模型がみてみたいです。



4.来場者の様子

・おっちゃんの一言
ツリーハウス:こんなの夢あってええなー

・子供、少年の一言
海中都市(模型に):網やったら水入ってくるで!

・お姉さん2人組
ナスカ:あー!見えないもんねーつくってほしいー!やっぱいるよね。

・おばあちゃん2人組
ツリーハウス(模型に):あら人立ってはるわ!ぎょー!

・少年2人(兄弟?)
海中都市:未来の家ってうずまいてるん?
実験棟に入って:これが将来住む家かぁー(地べたに座って)

・親子(母・娘)
ツリーハウス(模型に):めがねないと見えへんなー。この人猫背や!

●模型に対するつぶやきが多かったです。



5.それぞれの [unknown architecture] の回答

はっきりした答えは出せませんでした。申し訳ないです。タイムアウトです。
ただ、建築はエゴのかたまりの様に最近感じていたので、建築の道筋からの環境への取りくみといったところが、私が今もやもやしてる所から違うところを見せてもらったようにおもいます。

古川きくみ [京都市立芸術大学 博士課程1回生]
「みんなへの課題」今日から出題しています。ただ座って当番をするよりも、何かを求められて考えることで自分の「視点」について考えるいい時間になっているのではないかと思います。「古川への課題」である「創造力をはたらかせて」に対する平沼先生の答えのひとつなのですね。課題を出題してから、やはり皆の作品や展覧会を見る目が変わったなと思いますし、それによって得られることは、学生の皆さんのためになっているのだろうな、と思います。「人のため」になること。このことは、3回生のときに初めて平沼先生に授業を担当していただいたときから、先生との対話、あるいは先生の行動から、たくさん学ばせていただいたように思います。それから四年半経った今、その頃と比べると少しは人間として成長できたのかな、と思います(笑)。ひとつひとつの経験によって、また、たくさんの人と様々なかたちで関わることで、自分の器を広げていていただけるんだな….と、実感することが多くて…「a pair of history hills」のような、ひとつひとつの経験の積み重ねで、自分自身が成立していて、その土台がなかったら本(≒人生)を重ねていくことはできないのだと思いました。先生のスケッチのように、左右に段がずれたり、時々はみ出してしまう時間もありますが(笑)でも、崩れずに何とか生きている、そんな感じがします。いつか崩れるときがきても、それからやり直せばいいし、崩れたとしてもその経験は絶対になくならないですからね。あえて何回も崩して、また新しい人生をつくっていくことも、きっとこの先必要な時期がくるかもしれませんね。
さて、今回の展覧会。本当に、たくさんのことを学ばせていただいて、ありがとうございました。もっともっと力になれれば良かったのですが….それは、今から少しずつ色んなことができるようになってから頑張ります(笑)

具体的に、私が良かったと思うこと。下に挙げますね。(思いつくままですが)

①「自分の言葉」で伝えようと、相手に接するように心がけれたこと。
今回は平沼先生の展覧会でしたが、先生の言葉をそのまま借りるのではなく、自分の言葉で伝えなければ、相手の心には届かないのではないかと思いました。それには、やっぱり「実感」がないとできないし、正直に言わなければ伝わらない。でも、今回はそんなことが無理せずできているような感じがします。きっと、周りの方々が分かってくれる、いい人ばかりだからかもしれませんが…それはきっと、これからの自分の表現活動にも同じように当てはめてできると良いなと思います。
先生の建築のプロジェクトも、嘘ではなくて、本当にそう思っているからこそ実現できたんだと思います。

②ちゃんと、開場できたこと。(笑)
・・・大変でしたね。(笑)当日の朝、最後の最後まで、皆の協力のもと、何とか仕上がって、本当に良かったと思います。大きなケガや事故もなく、本当に、本当にたくさんの方々が関わり、協力してくださったこの展覧会。そんなプロジェクトに関われたことが単純に、誇りに、嬉しく思います。でも、ここで満足して終わるのではなく、「創造力を働かせて」いい結果を、いい効果を生んで、広げていくために、まだこれから、頑張りたいと思います。会期が終わるまで、少しでも多くの人の心に先生のえがいた未来や、環境の在り方が届くように。課題、頑張ります。(笑)

③くうかん実験棟の1/1スケールモデル
やっぱり、今回の展覧会で一番良かったのは、これだと思います。特に、実際に東大で見ているので、出来上がったときにちゃんと再現されていることに、予想以上にびっくりしました。途中までは半信半疑でしたが、本当に実現させてしまうことに感動しました。そして、展覧会タイトルがちゃんと現実化されたことにも。
何で1/1モデルはこんなに説得力があるのか不思議ですが、素材、光、スケール感などあらゆることに徹底的にこだわった結果として、いい空間体験ができたんだと思います。
「体験」を通じて人を感動させるには、並大抵の努力では決してできないですね。もちろん、努力してもできないときもあると思います。けど、そんな失敗をたくさん重ねて、今回の展示で実際に多くの人に空間を体験してもらえたことが、自分のことではないのに、何だかすごく良かったなぁと思います。

④バリエーションが見せれたこと
意外かもしれませんが、家具が良かったと思うのです。(笑)普通は、やっぱり他の誰かがデザインした椅子がおいてあって、そんなものは空間に合っていない場合もたくさんあって…。でも、同じ人がデザインしたからでしょうね。なんとなく、空間にしっくりきているんです。機能として休んだり、スタッフの居場所を作れるのも大きいですが、何よりそれが平沼先生のひとつの作品として展示されているのは良いなと思いました。最後の映像も、やっぱりあって良かったです。(笑)途中でやめなくて良かった地、心から思います。(あのときはどうすることもできなくて…本当にすみません。)そうやって全体を見ると、そのバリエーションのおかげでそれほど広くない空間ですが「色々見れた」印象があると思います。見ている人を飽きさせないことも大事なことですからね。