中井 千尋 [大阪大学 4回生]

1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品
東京大学くうかん実験棟
再現された光の空間がとても気持ちよく、風も通って朝の気持ちになった。
あの空間を作るためには、建築だけでなく、その他の要素も必要であると感じた。
屋根の3次曲面もすごく気持ちよく、屋根という図面に現れにくい部分も、実際の建築では豊かな空間を作る要素だと感じた。
木の心地よさを具現化した形だなと強く感じた。
一つ一つにこだわった、強さのようなものを感じる。
壁も床も天井も「木」で構成されることは、リアルとアンリアルを持ち合わせいるような気持ちがした。
私は木の構法や木でつつまれた空間に対する興味より、入った瞬間に感じる平沼先生の思いや造形力に対して関心があり、自分の思いを最大限に形にできるようにするということを平沼先生から学びたいなと思いました。

2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品
ツリーハウス(小)
初めて事務所で見せてもらった時からすごく好きで、木材での表現がとても雰囲気にあっていて楽しげで暖かいイメージを受けました。小さく緻密な作業で、人の想像力を膨らませる素敵な表現だと思いました。
4.来場者の様子
→外国の方と通訳をする方が来られました。二人はくうかん実験棟をとても気に入っておられ、長い間中で座っておられました。通訳の方が構法や木の問題などについてパネルの内容を英語でしゃべっておられて、とてもうらやましく感じました。私は人と意思疎通できることが好きな性格で、外国人など異言語の人とコミュニケーションをとって同じように空間に感動できたり、専門分野について話し合ったりすることに憧れがあって、将来あのようになれたらなと思いました。
→ナスカタワーを作ってほしいと言っている人がいました。作ってあげてください!
→友達が来て、すごく楽しかった!来て良かったと言ってくれました。そんな展覧会に関われて光栄です。
→さわることについて
小さい子や大人でさえも模型をさわったり、さわりたがったりします。そういう場面は普通に注意することで終わるのですか、自分の中で、さわりたいって何なんだろうと少し気になっていました。人は目の情報だけでなく、“モノ”に対して他の知覚からも知りたいのではと思います。最近あることから建物にさわるということを始めました。東大の安藤さんの建物をさわったり、展覧会場にあるくうかん実験棟をさわったりします。すると今まで「見る」だけだった情報に新しい感覚が加えられ、愛着をもつことができます。一度見たものがなかなか忘れられないように、一度さわった感触もなかなか忘れることはなく、その建物を認知する一部になっています。
東大の院試のとき、ディズニーランドに行ったのですが、見た目はいろいろあるパヴィリオンですが、さわるとその感触はすべてモルタルやコンクリートの感触で、面白いなと思いました。
5.それぞれの [unknown architecture] の回答
unknown architectureに対して答えを出すことは私にとって何か未来の目標のように感じていて、今答えを出す自信がないというか、今からゆっくり考えていきたいテーマだなと思っています。そんなままでいいのかとも正直思いますが、なぜか与条件なしに建物を作ることができないところがあります。最近自分の中に建築は好きだけれど、近寄れなくて(実際にコンペとかで案を考えたりできないです。)文章を書いたり、他の媒体で表現の手助けをすることの方が落ち着いて取り組めたりします。そういう自分が好きではなく、自分でも建築を作ってやるくらいの気持ちをもって取り組みたいのですが、なぜかできなくていらいらします。

[線の建築]
部屋が線状に並んで、その線がいろんな形を描いていたらそれぞれの部屋がいきなり関係したり、独立的だったり、前後のつながりしかなかったり、いろんな関係性のパターンができて面白いのではという発想

[駐車場建築]
なんか車が浮いていたら面白いのではないかと思いました。在来の駐車場のための建築は閉鎖的で楽しくないので、こんなのがあればいいのではと思います。
宮川 香織 [京都市立芸術大学 3回生]


1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品
「起こりうる未来の水中都市」
縦長の都市。
現在の都市は中心地に機能が集中、高層建築が密集する。水平方向への拡散を抑えるために垂直方向に収納力を向上させる。
↑ この性質が現在の都市にあるのだから、未来において都市が一丸となって垂直方向へ成長する形は成立しうると感じる。


2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品
「自然の向こう側へ」
人と緑、都市機能と自然の共存&共成長、1000年という大スパンで自然を養成しようとする長い視点、などなど悪化の一途をたどる環境問題を抱えた現代には必要なお題盛りだくさんだが、規模が大きすぎる。
この大プランを遂行できそうな資金力その他のパワーを持っていそうな国・大企業等はずっと「効率を優先」して発展して来た状態で、この大きな課題に手を出す様子が想像できない。
将来、何かのきっかけで全人類すみずみまで意識改革が起こって採算度外視で環境問題に取り組み始めたりしないと実現は不可能だと思う。
3.課題1.2. をとおして、展覧会のサブテーマ [非現実から現実へ] の回答
アンリアルからリアルへ上の二つの差は、個人の単位ではなく企業・国・人類全体と大きな塊として人間を見たときにそのプランを実行するだけの度量があるか否か。都市のより良い姿を求める「起こりうる未来の水中都市」は今の人類でも採用しそうと感じるが、「自然の向こう側へ」は(人間個人としては憧れ、賛同を示す人も少なくないと思うけど)地球のどこかであれが実物大で建ちそうかと言われると、ちょっと想像がつかない。建築計画をよりリアルにするには、その計画の規模を実行しうる個人・組織・集団が元々持っている性質に合わせる、もしくは啓蒙なり改革なりしてその個人・組織・集団の意識まで丸ごとデザインする労力が必要。ただし意識改革する対象集団がデカイほど改革が大変でリアリティが薄れるわけで…
4.来場者の様子
(くうかん実験棟に入って)「布団持ってきて寝たい。」
同感です。木漏れ日ちらつく木陰で寝てるみたいで気持ち良さそうです。
金森 善弘 [帝塚山大学 4回生]
4.来場者の様子
呼び込みにて気づいたこと。
半径2m以内くらいに来てポスターを見てくれた人は声をかければだいたい入ってくれる。パッと見て単純に歩くの早いなって思った人は、次何をするのか決まっているのか話を聴いてくれない。逆に、ダラダラ歩いている人は、ついでに見ていってくれる。
5.それぞれの [unknown architecture] の回答
[unknown architecture]ということを考えているにつれて、形になっていない自分が考えているもの全てがそれにあてはまる気がしてきた。だから、自分にとっての夢を描こうと思いました。

[布の可能性]
布を構成する機能だったりイメージを挙げてみる。
(.透過性 .形の自由度 .繊細な厚さの違い など)
布にふくまれるこれらの事に、ずっと魅力を感じていました。洋服をイメージしてもらうと分かりやすいんですが、素材である布は体を覆いプライバシーを守っているだけでなくコミュニケーションを生むきっかけにもなっています。それは、人をつなぐ間仕切り。布であるが故にかまではいたってないが、ここから新しいものが生まれないだろうか?
南川 智子 [神戸芸術工科大学 3回生]
1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品

東大くうかん実験棟
すでに実寸大でつくられているものだけど、照明があたり、光がとても美しかったので、これが実際に外に置いてあるときっと葉のスキマからの光と風が気持ちいい。そんな場所に近い場所のような気がします。これが、実際に外に置かれ、そして、間伐材を使うというシステムが社会へ都市へ広がるリアルを見てみたい。
2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品

来場者が多くてじっくりとパネルや模型を見ることが出来なかったのですが、機能の講演会の話しの中で、「こおる・とける・ながれる- ウォーター・パヴィリオン計画プロジェクト」が印象に残りました。
水の中の空間というのは、本当に出来るのかと疑問に思いましたが、テクノロジーを見せ、空間をつくるということが興味深いです。話の中に出てきましたが、よく「エコ」という言葉がつくと良いもののように扱われる、そのことに対して問いかけているように感じました。
4.来場者の様子
長い文章なのにじっくり読んでいる人が多かった。模型やタイトル、展示空間全体がそうさせているように思う。
受付にて、ルーヴルが多いから、建築展を見に来る人が多かった。「無料」か「有料」か、立ち止まり、確認しているおばちゃんが多かった。
「すごい」「ナスカだ!」「ツリーハウス?」「なるほど…」会話があふれ、少しざわざわしてるぐらいが良かった。しかし、子供から模型が見えない(汗) ベビーカーの人も…
5.それぞれの [unknown architecture] の回答
環境へという時代背景の中で、建築という手法で何をするのか。
答えは様々で、だからおもしろい。テクノロジーを使うこと、一つ前の時代に戻り考えること、どれも大切だと思う。私はその中で、人の意識を変えることに興味がある。アスファルトでかこまれた都市、閉鎖された家、いつもの道、いつもの生活、その中で、あっという何かが出来ればと思う。1000年後とか、スケールが大きな話をなかなか実感出来てない。また来客として来たい。
高岡 真依子 [京都市立芸術大学 卒]

1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品
「自然の向こう側へ」。1000年という期間は人間には長すぎて非現実的。でも、今身近にあるものから初めて、徐々に、というのは人々に受け入れられやすいと思う。この部分が現実的だとすごく思う。この、徐々に、ゆっくりと、というのが、きっとちょうどいいペースなのだと思う。

2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品
丘の上の透明な場所から ナスカの地上絵のためあけに立っている塔。地上に広がる大きな絵と、空に向かって伸びる、その対比が魅力的。
この提案ではっと気づいたことがある。
1つのものから、お店や家、広場など広げて街をつくっていく。このことを考えるが、これは、機能を内包して外に出さないようにしている。地上絵に対して見下ろしてはいるが、謙虚に優しく接している姿に心打たれました。それはとても大切なことだと思う。
「こんな家ができるんだね、未来になったら。」
子供に取ったら、非現実も現実もないのかも。これは小学生ぐらいの女の子とその弟が言っていた言葉です。
環境に優しい家といっても、自然の立場から見ると?
建築は自然に近づいてきてはいるが、実際には距離がある。
3.課題1.2. をとおして、展覧会のサブテーマ [非現実から現実へ] の回答
非現実から現実へ これが先生のテーマ。
現実から非現実へ これが私のテーマ。
私にとっては森や大自然の中にいても、非現実と感じる。それは自然の力、器が大きすぎて、現実という感覚がなくなるから。非現実から現実へ。
私の中で、今も昔も自然と共に暮らしたい、という想いがある。
4.来場者の様子

来場者に対してはもっと何かあってもいいかな。情報?
ナスカの地上絵と、ツリーハウスに興味を持っている人が多かった気がします。
5.それぞれの [unknown architecture] の回答
自然の真似からはじめる。
自然と建築の境界をなくしていく。
いつかは自然そのものになる。
新しい方法で自然と共存する。