荒川 夏名 [京都市立芸術大学 3回生]

1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品

現実に建っているので、東大のくうかん実験棟が一番見て実感、興味が湧きます。
セルフキットを小さな子供の時に授業などで組み立ててみたいです。
私は電灯が太陽光のように見えてしまう事に驚きました。実際には短い時間しか中にいなかったのですが、その少しの時間が心地よくて、狭い空間なのに広々としているというか気持ちがのびのびするというか、これは素材の力なのか空間構成の力なのか…確かに空間は身体に影響を与えるとのだという事と、空間を作る事は意味があるという漠然とした感じを覚えました。意味のある時間でした。漠然過ぎてすみません。

2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品

空気に消えてゆく。
オリンピックのランドマークタワーが一番印象深かったです。
私は、今その場に建っている建築よりも、建築を通して見えた新しい世界、世界というと大袈裟ですが新しい視点というものに興味があるので、作られて、削られて、また作られて、そして消えていく、普通ならば私たち人間の一世代では見ることの出来ない営みのようなものを、オリンピックの開催期間中に早回しで見ることができる。それはとても貴重な体験であり、身体の感覚を変えうるものであると思います。

4.来場者の様子

ルーブルにお越しの方が、看板に気付かれて声をかけて下さいました。
12日に終わった講演会に興味をお持ちだったので、少し残念に思いました。まだ一般の方には知れ渡っていないのかなと感じられました。
奥まった場所なので、気付かれない方もいらっしゃるようですが、入り口が白く発光しており、その光がきれいに見えるので、一度入り口に気付くと結構興味を持って来て下さいます。
実際の模型は勿論ですが、壁の説明文も良く見られていたので、読みやすい配置や間隔なのだと思います。
フライヤーに興味を持たれていた方も結構いらっしゃいました。

5.それぞれの [unknown architecture] の回答

某漫画で昔見た水の家。水を固めてブロックに出来る、粘土のように捏ねられる、砂の城の水バージョンのようなもの。好きでした。

横井 仁美 [京都市立芸術大学 4回生]

1.リアルな建築空間として最も興味をもった作品

私にはどの作品もリアルでアンリアルにうつります。“どの”というのは難しいですが、全ての作品にアンリアルそうに見えてリアルな側面がちらりとあることが、興味をもてる要因な気がします。システムやその建築が出来ることでどのように世界が変わるのかが広い視野で見られていることにより、建築によってひきおこされるその周囲の循環が見えるので、ただ建築家が建てたくて建てたんじゃない、プラスになるという必然性のうえで建っているということが理解出来る。建築が前提じゃない、というところに共感し、リアルさを感じました。

例えば、“自然の向こう側へ”だったら、人の手をかりるから、雇用を促す建築となっている。建築が社会問題の解決に素敵な介入をしているなぁ、長い広いビジョンで見ているんだなぁと納得出来る点です。
そういうリアルな部分にはとっても感心するけれど、感動しないのはどうしてでしょう。感動できるリアルはやはり圧倒的な実空間で、そこが建築の最もたる魅力の1つの気がします。

今回の展示のモックアップは分かりやすく美しくリアルでしたが、実際のくうかん実験棟で受けた感動は得られなかったように思います。



2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品 

いくつかの作品のキーワードになっていたように思う“消える”。すごーーい。



3. 課題1.2. をとおして、展覧会のサブテーマ [非現実から現実へ] の回答

非現実だからドキドキする。そこに現実的要素がチラ見えするからワクワクする。私にとって建築の世界は膨大な選択の連続であって、ものすごい量の資料と模索と労力と実験と時間、そしてお金。
きっとここに展示されているものは建築のほんの、ほんの一部で、いちばんキラキラしているエッセンスの部分。だからこの展示には私の思う建築のリアルは無い。
多分私にとって、現実は敵で、でも建築においてなくてはならないものだということぐらいは知っているので、焦る、怖いもの。
それがもしこの展覧会に見えてきていたら、私はこの展示を楽しめたのだろうか。
現実が見たいのならば、事務所に行けば分かることで、そもそも美術館で展示すべきことではないのかもしれないのだけれど。リアルだけではつまらなくて、アンリアルだけでは建てられない。リアルがつまらないと思うのは私がリアルを一面的にしか捉えられていないからなのかもしれませんが。
私は、人は2つの軸の中に生きていると感じていて、その1つがお金。2つめが心の豊かさ。この2つは、交じり合うふりとか無理やりに擦りあわせたものがあふれていて、そうなるとどこか胡散臭い。それが自然にそうあるべきで素晴しい合致で癒合しているものが建築なのかなぁと感じました。



4.来場者の様子








5.それぞれの [unknown architecture] の回答

環境は必ずしも身体の周囲のことだけではなくて、私は人間の内側の環境から生み出される建築に興味があります。




谷口 尚史 [京都府立大学 2007年度卒]

2.アンリアルな建築空間として最も興味をもった作品 

以前、北京に行ったことがあります。そこでの印象は、なりよりもまずスモッグでした。
本提案の本質はロウソクから出る煙にあると感じます。視覚的に似かよった「スモッグ」と「煙」が混ざり合うことで、ネガティブな印象しか与えなかった都市像、環境を一変しそうな気がするからです。両者の境目はぼやけ、またロウソク自身の存在もぼやける姿が想像できます。と僕の勝手な想像では、オリンピックを行うには相応しい環境とはいい難いかもしれません。でも「もし実現したならば・・・」と考えると、リアルとアンリアルを行き来する魅力的な提案でした。



4.来場者の様子

作品に対して誠実に接している方に、好感が持てました。
平沼先生の作品に対する思い入れは、この2日間でひしひしと感じております。その分、そのような方に対して、他人事とは思えないうれしさを感じるのかもしれません。



5.それぞれの [unknown architecture] の回答

既存のビルの窓ガラスを取り除く。
内部の本当に必要な場所だけを確保し、パーティションを設ける。風化などの自然の介入する速度を高めることで、内部の役割は変わり、新しい質の建築空間をつくる。意図は、人と自然の接し方に変化を与えることです。また表面(ファサ―ド)の風化する速度は他の建物と変わらないので、街の中でそれほど異質な存在とはならないと思います。
普段見落としてしまいそうな些細な出来事から、unknown architecture を考えてみました。